【ついに実施!】たばこ増税の概要まとめ【今後は?代替品は?】
かねてより報じられていたが、ついにたばこの増税が実施された。
主要な銘柄でも500円を超えるものがあり、隔世の感がある。
今回はたばこの値上げの概要と、代替品の可能性についてまとめてみた。
これまでの値上げ(増税)の歴史
まずは下記をご覧いただきたい。
これは代表的な銘柄である「セブンスター(JT)」の価格推移だ。
1969年 100円(間隔/直前比/累計)
1975年 150円(6年/+50円/+50円)
1980年 180円(5年/+30円/+80円)
1983年 200円(3年/+20円/+100円)
1986年 220円(3年/+20円/+120円)
1997年 230円(11年/+10円/+130円)
1998年 250円(1年/+20円/+150円)
2003年 280円(4年/+30円/+180円)
2006年 300円(3年/+20円/+200円)
2010年 440円(4年/+140円/+340円)
2018年 500円(8年/+60円/+400円)←New!
こうしてみると値上げ幅は2010年に次いで2番目に大きく、8年ぶりの大増税といえる。
前回の値上げがけた外れの大増税であったがゆえに今回の上り幅を小さく感じる向きもあるかもしれないが、実際には値上げとしては大きいのだ。
また加熱式たばこ(iQOS,gro,ploomtech)についても各社値上げとなった。紙巻たばことは違った課税方式ではあるそうだが、それぞれ数十円単位で値上げが実施されている。
ついに500円という大台を超えたことで、本気で禁煙を考えている方も多いのではないだろうか。
増税の今後の予定は?
もちろん500円でも大いに痛い出費ではあるが、気になるのは今後の予定。
ヨーロッパでは既に一箱1,000円という話も聞くし、世の中の流れを考えるといずれ日本もそうなってしまうのだろうか。
これについては2021年までにたばこ1本あたり2円程度の増税が決まっているようだ。
つまり一箱換算だと40円程度の増税となり、おそらく各メーカーとも増税分を販売価格に乗せることになるだろう。
先のセブンスターの例で言えば、540円/箱まではほぼほぼ決まりということだ。
では果たしてそこで止まるかというと、残念ながらそんなことはないと思う。
なぜなら世間的な論調もさることながら、税収というより即物的な要請からも値上げせざるを得ないと思われるからだ。
例えば平成10年時点と現在を比較してみよう。
当時のたばこ売上本数は約3,366億本、税収は2.18兆円だった。
それが平成28年になると以下のようになる。
たばこの売上本数は1,680億本と約半分、そして税収は2.12兆円とほぼ横ばいだ。
つまり値上げや社会的な論調の変化などを受けてたばこの売上そのものは半減しているが、国としては税額を引き上げることで税収を維持しているという見方ができる。
日本の財政状況が順風満帆であれば話は別であるが、残念ながらそうは言えない状況を鑑みると、たばこの消費数が減少すればするだけ税金は増加してゆくことになると思われる。
なお数値の出所は財務省HPによる。
たばこ税って何なんだっけ
あらかじめ断っておきたいのだが、この段落については特段裏どりをしているわけではないのであくまで個人の感想である。
さてたばこ税とは何なのだろうか。
最近耳にするところでは、「喫煙者が勝手に健康を害して医療費負担を押し上げているのだから」とか「喫煙者のために(公共の)喫煙所設置にも費用が掛かる」とかいう議論を見かける。
僕の個人的見解ではこれは的外れとは言わないまでも、いまいち本質をとらえきれていないように思う。
そもそもたばこ税のはじまりをご存じだろうか。
明治時代、日露戦争の戦費調達を目的に創設され、さらに1998年から開始された「たばこ特別税(現在も存続)」については国鉄の債務返還を目的として開始された。
前述のようないわゆる目的税的な性質を備えてはいない。
たばこがもたらす健康被害や受動喫煙対策を理由とするのは喫煙者としても納得ができるところであると思う。本当にそれが目的であれば、医療保険のほかに喫煙者用の保険を設けてその掛け金にすればよいのではないだろうか。
喫煙が原因といわれる特定の疾病に罹患した場合の治療費などを拠出するようにすれば、もっともわかりやすいし、非喫煙者に医療費の面で迷惑も掛けずに済むように思う。
受動喫煙問題も同様で、地域によっては喫煙所が全くないところも珍しくない。
たばこを吸わせたくないから喫煙所を撤去するなんて言うのは「北風と太陽」で言うところの典型的な北風ではないだろうか。しっかりと副流煙を遮断できるようなしっかりした喫煙所を作ればよいと思う。
とまあやや乱暴な議論も含めて個人的な見解を書き綴ってみた。
そうはいっても、こんなところで愚痴っていたところで現実は変わらない。我々に必要なのは具体的な対策だ。
代替品としての電子タバコ・VAPEとニコリキ
ここまで述べてきたとおり、紙巻きたばこはもちろん加熱式たばこも今後増税は繰り返され、値上げが継続してゆくことだろう。
それでも固い決意をもってたばこを吸い続けるという方や、これを機にスパッと禁煙できるという方はそれでよいと思う。
しかし禁煙もしたくないし、かといってどんどん値上げされてゆくのも面白くないとしたらどうするか。
僕としては思い切って電子タバコに切り替えることをおすすめしたい。
これは現在のところ(※)増税のあおりを受けずにニコチンを摂取できる唯一の方法だからだ。
電子タバコ・VAPEは、少なくとも国内においてはニコチンを含まないリキッドを使用する前提で販売され、そういった使用方法でも十分に嗜好品としては面白いものではある。
しかし海外に目を向ければ「ニコチン入りリキッド」はたくさん販売されており、さらに輸送コストを差し引いても圧倒的にコスパが良いのだ。
確かに紙たばこには独特の香りがあるし、電子タバコ・VAPEは必ずしもそ香りなど細かい部分を含めた代替品になり得るわけではないが、電子タバコにはそれそのものの良さがあるし、これを受け入れられる人であれば十分紙たばこの代わりに愛用できるものだと思う。
※あくまで「現在のところは」である。そのあたりについては下記の記事を参照されたい。